高橋克彦先生、審査員に決定!

秘密裏に交渉を続けていた「みちのく怪談コンテスト」第三の審査員について、いよいよ発表いたします。

高橋克彦先生に、快諾をいただきました!

新たなる〈みちのく〉像への期待 

高橋克彦

遠野物語』を通じて、さまざまなイメージが、岩手の地に、東北の地に、そして〈みちのく〉に寄せられてきた。風土の持つ幻想性に、多くの人たちが魅了された。〈みちのく〉に暮らす者たちにとってはどこにでもある当たり前の話が、外の世界の読者には「怪談」のように受け止められてもきた。『遠野物語』は外の世界が東北をどのように見ているのかを示す鏡だったのかもしれない。怪談の核は、書き手の裡にこそある。〈みちのく怪談〉の書き手たちも、かならずやそれぞれの〈みちのく〉に想いをめぐらさずにはいられないはずだ。遠い国〈みちのく〉に関心のなかった人であればあるほどに、想いは深まる。書き手が想いを凝らした800字に、新たな〈みちのく〉像を、未知の東北像を見たい。大きな可能性を感じている。楽しみな審査になりそうだ。

高橋克彦[たかはし・かつひこ]


小説家。昭和22(1947)年、岩手県釜石市生まれ。早稲田大学商学部卒業。東北を舞台にした歴史小説をはじめ、推理小説怪奇小説、伝奇小説などを多彩に執筆。主な作品に『写楽殺人事件』(江戸川乱歩賞)、『総門谷』(吉川英治文学新人賞)、『北斎殺人事件』(日本推理作家協会賞)、『緋い記憶』(直木賞)、『火怨』(吉川英治文学賞)があり、ほかに『悪魔のトリル』『星の塔』『私の骨』など怪談・ホラー作品も多数。『炎立つ』と『時宗』は、NHK大河ドラマの原作ともなった。