<てのひら怪談>とは何ぞや!

こんばんは、「みちのく怪談コンテスト」スタッフのKです。
<みちのく怪談コンテスト>の概要は、前述した記事でおおよそご理解いただけたかと思います。


「でも、記事の文中に何度か登場した<てのひら怪談>って何なの?」


そんな疑問を解明するべく、今回、当ブログの監修をお願いした怪談作家の黒木あるじさんに「てのひら怪談とは何なのか」をお伺いしてみました!


K  率直にお伺いします。てのひら怪談って、何ですか?
黒木 てのひら怪談」とは、オンライン書店ビーケーワンで2003年に始まった、怪談をテーマにした公募文学賞ビーケーワン怪談大賞」がきっかけとなって生まれた書籍シリーズの総称です。「ビーケーワン怪談大賞」の大きな特徴は、ウェブ上で投稿を募集している点です。応募作は、全て専用のブログで公開されているんです。
K  投稿する側も、読む側もリアルタイムで楽しめるんですね。何だかお祭りみたいですね。

黒木 そうなんです、まさしく「夏の怪談祭り」と称するにふさわしいイベントなんです。そしてもうひとつの特徴が、字数の上限が800字である点です。およそ原稿用紙2枚分の字数で怪談を書く……短いので簡単だと思われがちですが、無駄な文章を書く余裕がない字数の中できちんと物語を作りあげるのは、なかなかどうして難しく、それだけに投稿する側も書き甲斐があるんですよ。

K  気軽に投稿できるけれどもクオリティは高い、そのあたりが人気の理由なんですか?
黒木 そうでしょうね。年々投稿作品は増え続けていて、昨年はひとり3作品までという投稿制限にもかかわらず661篇もの怪談が投稿されました。選考委員である東雅夫さん、作家の福澤徹三さん、加門七海さんがが全ての応募作品に目を通して選考作業をおこなうという特色も、応募数が年々増加している理由のひとつだと思います。
K  なるほど、選考委員に必ず読んでもらえるというのは貴重ですね。そんな「ビーケーワン怪談大賞」の優秀作品をまとめたものが「てのひら怪談」なんですね?

黒木 第4回のコンテスト終了後に、審査員である東雅夫さんが自身のブログにて「是非一冊の本にしたい」という表明を載せたところ、ポプラ社さんがその声に応えて書籍化が実現したんです。好評を博して、現在までに文庫を含めて5シリーズが、その他に東雅夫さんが手がけた、小説家、詩人、エッセイストなど総勢100名の作品から800字以下の掌編を選び抜いたアンソロジー『文豪てのひら怪談』も刊行されています。
K  てのひら怪談」の魅力とはいったい何なのでしょうか?

黒木 やはり、バラエティー豊かな作品群でしょうか。投稿者それぞれの「怪談」の定義が異なるために、ゾッとする実話系の話から、土着的なにおいのする物語、幻想小説の香り漂う一篇に、思わず笑ってしまう作品まで、非常に幅の広い怪談の数々が楽しめるところが、読み手も書き手も惹きつけてやまないのだと思っています

K  「みちのく怪談コンテスト」に応募される方にも読んでいただきたいですね。

黒木 そうですね。掌編を書くうえでも怪談を綴るうえでも、非常に参考になる要素がたくさんあると思います。未読の方はぜひ読んでみてください。もちろん、応募を考えていない方でも、純粋に楽しめるシリーズなので、書店で見つけた際には手にとってほしいですね。


ビーケーワン怪談大賞」は今年も投稿受付中!
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